エンストというと、MT車でミスした場合に特有のものであり、AT車やCVT車であれば安心だと思っている方がほとんどでしょう。ところが、実際には年間数十件ですが、AT車のエンストは発生し、死亡事故も十数件発生しているという事実があります。
そもそも、エンストとはどのようなもので、どのような時に起こるのかすら、考えたことがない人も多いでしょう。
エンストは、「ガス欠時」「エンジントラブル時」そして下記に説明する「操作ミス時」に主に発生します。そして、MTだけではなく、ATでも操作ミスによりエンストするのです。
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以下、Yahoo!ニュースより引用。
AT車のエンスト注意=パワステ利かず死傷事故も―ギアや始動操作に要因・国交省
時事通信 5月5日(月)14時44分配信
オートマチック(AT)車で、操作ミスによりエンストしたために起きた事故やトラブルが3年間で少なくとも111件あり、12人が死傷したことが、国土交通省のまとめで分かった。パワーステアリングなどが利かなくなるのが原因とみられ、同省は対処法をまとめた映像をホームページ(HP)で公開し、注意を呼び掛けている。
国交省が2011~13年のAT車のトラブルを分析したところ、エンジンが止まりブレーキやハンドルに異常が生じたケースは111件あった。
死傷事故が8件あり、エンストにより道路脇の崖から車が転落するなどし、1人が死亡、11人が負傷した。ブレーキを利きやすくする機能やパワステが、エンストで利かなくなったことが原因とみられる。
111件のほとんどは坂道で発生。うち40件はギアの操作ミスによるエンストだった。ギアをバックに入れたまま坂道を前向きに下るなど、走る向きとギアが合っていないと、負荷がかかりエンストする。
押しボタンでエンジンを始動する車でも、エンジンをかけずに坂道を走行したトラブルが40件あった。ブレーキを踏むなどしてボタンを押すと始動するが、ボタン操作だけでも警告灯やカーナビ画面が点灯するため、始動したと勘違いしたとみられる。
国交省の担当者は「レンタカーなど慣れない車種に乗るときは、操作を確認するように」と警告。エンストした場合、ブレーキを普段より強く踏んで止まるようアドバイスしている。
このように、主に坂道などの傾斜がある場所でエンストが発生しやすい傾向にあります。車が傾斜で、惰性により動く方向と、ギアポジションを一致させるようにすることが大切です。また、短い急坂を下る際のコツですが、DやRに入れると駆動力が強く、下りで急な走行になってしまう恐れがある場合は、N(ニュートラル)に入れて、ブレーキに専念する方法が有効です。
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