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Channel: 車の運転のコツ
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トヨタの一人乗りEV(電気自動車)コムス

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一人乗りの小型EV(電気自動車)、コムスはトヨタが提唱する次世代モビリティのひとつです。タイヤが4輪ついていて、屋根と荷室がついているということで、現在の道路交通法では、原付でもなければ軽自動車でもないという、やや中途半端な位置づけになっている車です。実際に乗車した印象をまとめてみました。

 



★外装

s-IMG_2335.jpgパッと見た感じでは、屋根がついた4輪の原付といった印象ですが、どことなく蛙を思わせるようなポップなキャラクター付けがされた外装デザインです。使われ方としては、デリバリーなどの企業・店舗で利用されることが多いため、外装パネルの目立つ部分には店舗などのロゴが配置されることになります。

★内装

 内装はいたってシンプル。昔ながらのハンドルにアクセル・ブレーキの2つのぺダル。右側にサイドブレーキがあり、ドライブ・ニュートラル・バックだけのギアは、ハンドル左側にコラムシフトタイプのものが備わっています。内装だけを見れば、まるで重機の操縦席かのごとくシンプルです。そして、左右のドアはなく、中からも外からも開けられるジッパー式の幌カバーがドア代わりです。シート付近に荷物を置く場所はほとんどなく、基本的に荷物はリアの荷室に置くことになります。これも、さほど広いスペースではないため、ある程度この車両の用途は限られてきます。

★動力・走行性能

 この車はEVですので、燃料は電気です。そして、普通自動車型のEVとは異なり、普通の家庭用100V電源、いわゆるコンセントで充電します。そして、最長航続距離もせいぜい40km程度と、中~長距離のドライブはできません。あくまでシティコミューターとしての使われ方になります。

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動力であるモーターの性能は、この車体に対しては十分で、アクセルをグッと踏み込めばリニアに加速していきます。ガソリン車と異なるこのトルクの出方を、直接的に体感できるのは、この華奢な車体ならでは。ゴーカートに乗っているかのような感覚で、さらに余計な電子制御や味付けがなされていないため、「動く」というピュアな楽しさを感じることができます。もっとも、速度は速くなく、最高時速で60km程度ですので、イメージとして原付が公道上を走るのと感覚が似ています。そして、トランスミッションがありませんので、アクセルペダルを緩めると、ガソリン車で言うエンジンブレーキが良く掛かります。ガソリン車のように5速や6速などのトップギアで巡行、といった感覚はありません。さらに、ブレーキのタッチもガソリン車とはやや違います。ブレーキのタッチとして、効き始めはよく効きますが、最後に停止しようとする直前に制動力がやや抜けます。ここは慣れの問題ではありますが、注意が必要です。


 

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使い道としては原付と軽の中間といった感じで中途半端ではありますが、乗ってみると意外なほどに面白いのがこの車。主にデリバリーなどの商用車に使われそうですが、カーシェアリングの車種としても普及すれば、より車(EV)をシンプルに楽しめる車種として人気が出るかも知れません。


MT運転上達にお勧めの車~オーリスRS

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トヨタオーリスは、実用的なクルマではありますが、トヨタ車の中では趣味性の強い車種です。そして、このRSというグレードには6速MT車もラインナップされていて、運転を覚えたり、運転を楽しむ目的にも最適です。



シャア専用オーリス★外装

サイズ感としては同社のヴィッツよりも一回り大きく、塊感のあるデザインです。切れ長のヘッドライトとフロントグリルは一体になったかのような線を描き、フロントやサイドから見た印象としては、シャープという言葉が適切でしょう。

★内装

ベースグレードに比べてスポーティな印象に仕上げられています。特別、豪華であったり凝った作りではありませんが、見やすいタコメーター、各種スイッチ類を装備したステアリング、丸形に稼働するエアコンルーバーなど、機能的にまとめられています。シフトの操作感は非常に良く、スポーティという訳ではありませんが、ストレスなくギアに吸い込まれていきます。クラッチペダルも軽く、操作性はなかなかのものです。

★エンジン・走行性能

やや大きい車体ではありますが、エンジンに不足感はなく、低いエンジン回転でもしっかり力が出ていますので、普段乗りには疲れることはありません。そして、エンジンとトランスミッションのマッチングも良く、ギアチェンジにストレスを感じることもほとんどないでしょう。ブレーキが多くのトヨタ車と同様に、初期の制動力が過剰であるため、微妙な減速には気を遣うことになります。

※写真はグレードが異なります


 

6MTが用意されている車種の中では、サイズ的にも大人5人がしっかり乗れて、荷物も積める実用的な車種です。それでいて、デザイン的にも走行性能にも気が配られていて、初めてのマイカーにするのにもお勧めできる車種です。

運転の練習にお勧めの車種~トヨタ・アクアG's

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世界初の量産乗用ハイブリッド車であるプリウスの後を継ぐように、2011年に登場したのが、トヨタ・アクアです。プリウスと同様のハイブリッドシステムを使いつつ、さらなる小型化に成功してリッターカークラスのサイズ感とって大ヒットしました。

そして、そのアクアに同社のスポーツ車両統括部であるG's:ジーズの名を関したグレードを設けたのがアクアG’sです。気になるその車の感触はどうなのでしょうか。


 

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★外装
エクステリアデザインは、前後のパンパ―周りを中心に大幅に変更されています。フロントリップ部分には、デイライト用LEDが埋め込まれています。リアにはスポーツカーの雰囲気を演出する空力パーツも採用されており、見た目の印象はノーマルグレードのアクアとは大きく異なります。

★内装
インテリアにもかなりこだわりが見られます。まずシートは前席・後席ともに質感がアップ。運転席はサイドサポートのしっかりしたものに変わっています。G’sのグレードが設けられた車種に共通する、黒を基調とした落ち着きとスポーティさを両立したデザインになっています。メーター周りはプリウスと共通する部分の多い、ハイブリッドシステムの稼働状況を知らせる情報がスペースを占めています。

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★エンジン・走行性能
ベースグレードのアクアは、燃費こそ素晴らしいものの、走行性能は同サイズの他社ライバル車にやや劣るような印象がありました。しかし、G’sアクアは、ボディ補強やエンジン・足回りにも手を入れられているためか、車格が上がったかのうような運転感覚が得られます。運転席でハンドルを握っている限りでは、プリウスに乗っていると言われても納得してしまうほど、華奢さは感じません。ただし、トヨタのハイブリッド車に共通する、過敏なブレーキのタッチはやや運転を難しくしています。状況によってブレーキの踏みごたえが直感とは違う形で変化するので、回生ブレーキの動作を熟知することが大切でしょう。


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同クラスの他社の小型モデルと比べても、アクアG’sは良く出来た車です。日本一販売店の多いトヨタの車ですので、メンテナンスも安心できるでしょう。その意味でも、免許を取得してから初めて購入する車種としてはお勧めできるクルマのひとつです。

トヨタ iRoadの印象・乗車感想

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電動でのモーター駆動による小型コミュニティ・ビークルであるiRoad。まだ市販に向けて実証実験をしている段階ですが、カーシェアリング大手のタイムズで利用することができるようになっています。

トヨタには電動小型4輪のコムスがありますが、iRoadはもう少し未来的な乗り物になっています。



Toyota 26
★外装
昔の小型オート三輪を前後逆にしたようなデザイン。パッと見は屋根付きバイクのようでもありますが、しっかりしたキャビンとハンドルがあるので、小型の車だと認識できます。一方でフロントは手動サイドミラーに、ひと昔前の車のようなウインカーで、バイクを思わせる造形になつています。

★内装

内装はシンプルで、シートも高級なものではありませんが、バイクに比べるとかなり疲労感の少ないものになっています。普通の3点式シートベルトを締めて走る点や、AT車同様にギアがN、D、Rである点、踏み込み式のパーキングブレーキである点などは、慣れ親しんだトヨタ車そのものです。ウインカーレバーはワイパーレバーと一体化されて左側に付き、右側にはバザードスイッチと曇り止めスイッチのみです。

ドアは薄く、プラスチック的なもののみで、ウインドウも閉めるか全開かしか選べません。しかもエアコンがないため、雨天時はウインドウの曇り止めが必須になりそうです。

荷室は座席後部のスペースに多少物を置ける程度です。居住性や使い勝手という意味ではまだまだこれからのようです。

★走行性能

この車両のハイライトは、後輪駆動、後輪操舵である点です。そのため、普通の前輪操舵の車とは運転感覚が大きく異なります。例えば、路肩ギリギリに車両を止めたとすると、普通にハンドルを右に切るだけではぶつかってしまいます。後輪が膨らむようにして曲がるからです。この操作感覚はフォークリフトに乗る方なら掴みやすいかも知れません。左折であれば、曲がり角ギリギリまで近づいて曲がっても、乗用車のような内輪差がありませんので曲がれてしまいます。

一方で、速度が出ている状態でハンドルを切ると、低速時とは操舵感覚が変わります。バイクのように車体が内側に傾くのです。しかも、傾き具合は、速度と切れ角によって自動的に変わります。そして、このように車体を傾けてカーブしている最中でも急ブレーキを掛けられます。車体が自動的に安定姿勢を取るのです。

加速性能自体は最大で60キロ程度と、さほどではありませんが、モーター駆動のためパワフルな印象はあります。そして、アクセルを緩めると、エンジンブレーキのように自然に速度が落ちてきますので、アクセルだけでもある程度コントロールすることができます。




この車両は、バイクと車の中間のような位置付けです。その証拠に、1回の充電で30キロ程度と短い航続距離で、原付のような二段階右折はせず、車線の真ん中を走るという、道交法上でも特例のような扱いです。

バイクのように転倒する危険性は低く、それでいて車よりも小回りが利くので、シティコミューターとしては可能性がありそうです。

運転感覚が異なるため、数時間の講習が必要になるのはネックですが、純粋な走る喜びも感じられる車両なので、今後の動向に注目していきたいと思います。

MT車の練習にお勧めの車種~マツダ・デミオ

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前モデルでは、デザインが高く評価されたマツダ・デミオ。

今回のモデルはさらにデザインが洗練されました。ガソリン車とクリーンディーゼル車、それぞれにAT車とMT車が設定されています。今回はデーゼルのAT車を見てみます。


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★外装
近年のマツダが鼓動デザインと呼ぶ他車種にも共通する形です。アクセラよりもひと回り小さいため、車高はそこそこ高いにもかかわらず、ひとかたまりになっているようなコンパクト感があります。

フロントグリルには赤いキャラクターラインが走っていて、流行にも乗っています。フロントもリアも、格好良さと可愛さが同居していて、性別を選ばないところもポイントです。

★内装
運転席は、外装と同様にマツダの他車種と共通する操作まわりとなっています。ダッシュボード中央部には純正マルチメディアモニター、操作系は左手を後ろに動かした位置。運転に必要な速度計や車間距離の情報表示はオンダッシュのベッドアップモニター。メーター周りは、目立つアナログ計器がタコメーターである点が、ドライバー中心の設計であると感じさせます。

ダッシュボードには赤ステッチのアクセント。ドアパネルなど所々に配されているカーボン調の表面と相まってスポーティにまとまっています。

フロントシート、リアシートともに収まりの良いシートが設えられていて、赤い縦線がまるで体の中心をここに合わせろと言わんばかりのデザインです。実際、運転席でこの赤線に体の中心を合わせると、ペダル位置がしっくりきます。

★エンジン・動力性能
デーゼルエンジンはもともと低速トルクが太く、反面高回転は苦手という特性があります。デミオのディーゼルは、静粛性を保ちつつも、出だしからとてもトルクフルな印象です。アクセルの踏みすぎに注意しなくてはいけないほどで、街中でのゴーストップの多い走行でも快適です。

トランスミッションも、この特性に合わせて、早め早めにシフトアップしていきます。パドルシフトのマニュアルモードも選べますが、タイムラグは普通のAT車と同じでやや多めです。ただし、信号停止などでは速度に応じて段階的にギアが下がるようで、エンジンブレーキはいつぱんなAT車よりもよく効きます。

ブレーキはトヨタ車のような過剰さはなく、ごく自然なフィールです。コントロールはしやすいものです。

車体の動きが分かりやすいので、コーナリングも操作した通りに動きます。しっかりブレーキを掛けてからハンドルをスムーズに回せば、綺麗に車体が動くのが分かります。空気圧はやや高めの方が良いかも知れません。

電子技術による安全装備は、他メーカーと同等レベルですが、制御は気が効いています。ドライバーの意図を汲み取ったかのように動くので、不快に思うことは少ないでしょう。オートライト、オートワイパー、アイドリングストップ、死角警報などは完全に任せられる程度に実用的です。ただし、車線逸脱警報は、雑多な道路上の線を拾ってしまい誤報となることも多いです。

走行する上でやや残念なのは、アクセルの踏み始めに無反応部分があること。これはおそらく踏み間違意図を防止などの制御上の問題だと思いますが、少し踏んでも少しだけ加速しないので、多めに踏むと一気に加速するという形になりがちです。ブレーキが自然なだけにやや残念です。



今回はAT車を見てみましたが、MT車も期待出来そうです。

 

マニュアル車は小さい車をお勧めしていますが、デミオのディーゼル車MTはまさに小気味よく走るのにぴったりの車です。

MT車で練習したい、という方にはもってこいの車種です。

免許取得後の練習にお勧めの車種~アウディA1

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初めてのマイカーを小さい車で、と考える人で、外車を選択肢にしようとすると入ってくるのが、アウディA1です。サイズで言えばBMW1シリーズ、メルセデスAクラスといったところですが、日本でも人気が増えているアウディのエントリークラスは、いったいどのようなものでしょうか。

 


 

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★外装
外観は同社の上位モデルと統一されたデザインで、遠くから見てもすぐにアウディだと分かります。グリルの押し出しやライトのデザイン、テール周りの形などは、小さいながらもカッコよさが勝る印象です。ピラーはブラックで、遠目からウインドウと一体化したよう見えます。HIDライトに、湾曲したLEDポジションライトが精悍な目をイメージさせ、ピリリと辛い元気な走りを予感させます。

★内装
同社のモデルの中ではかなり小さい車ながら、車内は狭さを感じさせません。ダッシュボード周りはシンプルですが、分かりやすくまとまっています。操作系はドイツ車に共通する剛性感を感じさせる、やや無骨なデザイン。上下・前後に調整できるステアリングや、細かく調整できるシートポジションなど、このクラスの日本車には稀な装備はさすがにドイツ車です。

特に好印象なのは、ステアリングの手を添えるべき9時15分付近の部分に凹加工が施されている点。しかも、小指と薬指の二本をそこに合わせるようにデザインされているようで、自然な力でハンドルを握るよう設えられている模様です。

メーターパネル周りは、燃費計やオドメーターの他、メンテナンス情報や方位計などが装備。ただし上位モデルのようなマルチ情報パネルではありません。

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★エンジン・走行性能
TFSIエンジンをSトロニックと呼ばれるトランスミッションで駆動するシステムです。走行ポジションは、通常のドライブモードの他、ゲート一段下のSポジション、ドライブモードを横に倒して+-で操作するマニュアルモードがあります。ただパドルシフトはありません。

走行すると、発進でややもたつく感があります。特に赤信号で、アイドリングストップしてから、エンジン再始動後にアクセルを踏むとギクシャクすることがあります。またバッテリー充電の都合でアイドリングストップが少し長くなるだけでエンジンが再始動してしまうこともよくあります。

通常のドライブモードでは、燃費重視のためか、スロットルの応答がやや遅く、シフトアップは早めです。Sモードにすると今度はかなり高回転を多用するようになります。こうなると、ドライブモードとSモードの中間程度のモードが欲しくなります。日本車の場合のSモードは、ちょうどこの中間程度のものが多いです。

車体は非常に堅牢な印象がありますが、サスペンションは比較的柔らかく、乗り心地はマイルドです。日本仕様になっているのでしょうか。市街地を走る限りでは日本車とさほど差は感じられませんが、高速道路では明らかに同サイズの日本車より安定感が高く感じられます。

 



アウディというとBMWと並んで趣味性が高く、所有する喜びのある外車だというイメージがあります。しかし、A1はコストダウンとの折り合いが難しいのか、所々粗が見えるような点が惜しい気がします。

コストを掛けずに道具として満足感を得たいなら、このサイズの日本車の方が、日本で使う限りは優れているかもしれません。

日本車ではなく、人と違った趣味性と所有する喜びを小型車で得たいなら、BMW1シリーズや、ミニなども見てから選んだ方が良いかもしれません。さらに高級路線ならメルセデスAクラス、小さいスポーティカーならアバルトなども選択肢に入るでしょう。もしくは、小ささにこだわらず、アウディA4を選ぶのも良いかもしれません。

アウディA1は、ゴーストップの多い都会よりも、高速道路の走行が多い方の場合は良いかもしれません。

電子制御のメカが、特にそのセッティングが、日本車よりもやや煮詰められていない印象があります。日本の道路事情に合っていないだけかも知れません。都心部での実燃費は13から14程度でした。

一方で、ブレーキやステアリングのタッチと、その挙動の一致性がとても良く、車の基本部分は日本の小型車を超えています。

最初のマイカーとして考えている方は、主な使い方や走る道を良く考えて、同クラスの車と比較して選ぶことをお勧めします。

カーシェアリングのデメリット

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カーシェアリングが、近年とても人気になっています。
さまざまな車種があり、気軽に使えるということで今後も増えていきそうです

一方で、不安感を抱く方もいるかと思います。
カーシェアリングの「メリット」はパンフレットをはじめ、様々な所で語られていますが、「デメリット」は実際に使ってみないと分からない部分もあります。

そこで、カーシェアリングを実際に使ってみると感じるデメリットをいくつかまとめてみます。

 


 

 

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★「マイカーではない」という当たり前の基本事項


  • 車両をカスタマイズすることが出来ない。つまり・・・
  • →運転席を自分の仕様にセットしたり、クッションなどで専用化出来ない
  • →ドライブレコーダーやレーダー探知機を設置したり、オーディオ、LEDライトを自分好みにするなどのカスタマイズは出来ない
  • 雑に飲食したりは出来ない
  • その車種に詳しくなれない。つまり・・・
  • →取扱説明書はあるが、毎回長時間借りるようなことでもない限り、その車種のオーナーのように特徴を知ることは出来ない
  • 臭い、ホコリなど乱雑に扱われている車は、営業車のごとく痛んでいる
  • →これらの結果として、「愛着を感じにくい


★時間に縛られる

  • 有料の会員制とはいえ、どんな人が乗るのか会社としては担保出来ないなめ、どうしても使用時間に厳格な縛りを設ける必要がある。
  • 時間を守らない場合にはペナルティが設けられている場合も。
  • 行きも時間を無駄にしないよう、時計を意識する必要がある。ただし、荷物まとめなどのための猶予は設けられている場合も。
  • 帰りの時間は、道路なので読めないことが多い。
  • 延長も、他者が乗車する予定によっては不可能な場合も。
  • 短時間利用の料金は安いが、よほど用途が合致しないと使いにくい


★車種が限られる

  • 複数の車種が用意されていることが多いが、メンテナンスなど効率面から選ばれた車種に片寄りがち
  • 趣味性の高い車種は非常に限られる
  • マニュアル車はほとんど扱われていない

 

★結論

  • 道具に徹した使い方という面では、使うことに合理性は大いにある
  • 手続きが簡素化されたレンタカー」と考えると良い
  • DVDやゲームのレンタル、あるいは図書館の本と同じで、あくまでも共有の車。所有している実感は当然ない
  • 初心者の運転練習としては、初心者運転期間(免許取得後1年未満)でも運転できる所もあるため、複数の車種を運転するチャンス。しかも、60分や90分と言った、練習のみの用途で使うことも可能で、レンタカーよりも使い勝手が良い。保険もレンタカーより良心的な場合が多いので、マイカーを買うよりもまずカーシェアリングというのもあり。好きな車種を見極めに使うのも◎。

 


 

★格安レンタカーと比べると、、、
 

●メリット

  • 保険が充実しており、事故時の負担が少ない
  • 車両が比較的新しくてきれい
  • 手続きが簡単
  • 返却地を選べる
  • 免許取得後1年未満でも加入可能な場合が多い

 

●デメリット

  • 会費が掛かる
  • パンクや洗車などの簡単なメンテナンスを要求されることがある

 

 

レンタカー・カーシェアリング、乗り慣れない車での注意点

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レンタカーやカーシェアリングなどの普及により、普段は乗り慣れない車に乗る機会が増えてきています。

そして、慣れない操作系に戸惑った結果、事故へとつながってしまうケースもしばしば見受けられます。これをらを防ぐためには、知識としてだけでも、新しいクルマの操作系を知っておくことが大切です。特に電装系については、一昔前とは比べものにならないほど進化していますので、乗り始める前に最低限の項目で結構ですので、その車種の取扱説明書に目を通しておくことが大切です。

 



★安全装置、燃費装置
 

・ハイブリッド車
ハイブリッド車やプラグインHV、電気自動車などでは、通常のガソリン車とシステムが異なります。燃料はガソリンと電気、または電気のみということです。また、消費サイクルも車種によって異なります(どんどん残量メーターが減る車種もあれば、なかなかメーターが動かない車種もあります)ので、「航続可能距離」を参考にした方が良いでしょう。

・アイドリングストップ
近年発売されている車種にはほとんどアイドリングストップ機構がついています。信号待ちなどでバッテリー充電量が十分で、条件を満たせばエンジンが停止します。これはミスによるエンストではありませんので、

・純正セキュリティ
降車時、リモコンドアロックすると、セキュリティがオンになる車種が増えています。このような車種の場合、乗り込む時にリモコンではなくキーを回してドア解錠しようとすると、セキュリティの大音量アラートが鳴るケースがあります。カーシェアやレンタカーなどでは借り受け時にきちんと確認するのも大切ですが、基本的には降車時にロックした方法で解錠するようにしましょう。


★パーキングブレーキ
パーキングブレーキは、別名サイドブレーキやハンドブレーキなどと呼ばれることもありますが、いずれも同じものを指しています。これは駐車用のブレーキで、エンジンを停止している間に、傾斜などで勝手に車が動いてしまわないように掛ける機械式ブレーキです。普通は後輪の二輪のみにブレーキが掛かるようになっています。

昔の車では、左側のコンソール付近にレバーあり、上に引くのが定番でしたが、現在は車種によって場所が異なります。

ミニバンや、運転席・助手席がウォークスルーになっている車に多いのが、足踏み式のパーキングブレーキです。ブレーキペダルの左側に小さなペダルがついていることが多く、踏み込むとパーキングブレーキが掛かります。解除するには、もう一度踏み込むか、ハンドル下あたりのレバーを引いて解除するタイプが多いです。

近年多いのは、ボタンスイッチ式のものです。これは、位置は車種によりまちまちですが、ボタンを一度押せばパーキングブレーキが掛かり、もう一度押すと解除というものです。ブレーキの掛かり具合を調節することはできず、ONかOFFかの二通りです。

借り物の車で、パーキングブレーキが慣れない位置の場合、掛け忘れてしまうことがありますので、十分注意しましょう。


★AT車・MT車のシフト
特にプリウス等のように、一般的な配置と違うATゲートを持つ車の場合は、シフト位置を間違いやすいので、シフトポジションと操作の仕方を必ず走行前に確認するようにしましょう。特に前進と後退を間違えると、焦って踏み間違い事故などの二次的な事故につながりやすいので要注意です。

また、MT車では、車種によってシフトパターンが異なる場合があります。国産乗用車タイプでは、H型ゲートで1速が左前、Rが右下というパターンが一番多くなっています。しかし、トラックや輸入車はパターンが異なる場合が多いので要注意です。

また、国産車でも6MT車では、Rがロックされていることもあります。Rに入れるには、シフトカラーを上に引くプル式、もしくはシフトノブを下に押すプッシュが多くなっています。


★ガソリン給油口
借り物の車の場合は、ガソリンスタンドでも注意が必要です。まず給油口が左右どちらにあるかによって、給油機に寄せる方向が違います。給油口がどちらにあるかは、メーターの燃料計の部分に▼(三角)マークで左右どちらかが示されていますので、確認してからスタンドに入りましょう。

給油口の蓋を開けるのも、車種により異なります。国産車の多くは、ドア側のシート脇や、ドアスイッチ、ハンドルの下部などにレバーがあります。ガソリン給油機のマークが印字されているので、見つけやすいはずです。

トラックなどでは、給油口の蓋を開けるために鍵が必要なこともあります。また、輸入車など車種によってはレバーなど使わなくても常時、蓋を押すだけで開けられることもあります。

そして最も大切なのは、油種を間違えないことです。もし間違えると、大きなトラブルにつながる可能性があります。


  • ガソリン車(軽自動車・小型車問わず):レギュラー
  • ガソリン車(スポーティカー・高級車など):ハイオク
  • ディーゼル車(乗用車・トラックとも指定車は):軽油

 

中でも、軽油は他の二つとは性質が大きく異なります。軽油を給油できるのは、ディーゼルエンジンを搭載している車だけです。トラックでなじみのある、特徴的なザラザラした音がディーゼルエンジンで、乗用車では一部のミニバンや、「クリーンディーゼル」を謳う近年の国産車、もしくは一部の欧州車が主です。それ以外は、基本的にガソリン車ですので、注意しましょう。

給油直前に、給油口付近にある、その車種の油種の表示を確認しましょう。なお「無鉛プレミアム」などの表示はハイオクのことです。


★バック時は、車幅感覚を疑うこと

はじめての車では最初、車幅の感覚が分からないはずです。そのため、乗り込んでいきなり発進させるのではなく、エンジンを掛けるまえに前後左右のボディの端の位置を確かめることをお勧めします。

難しく考えることはなく、外から車をグルっと一周して四隅を目視してみること。バンパーやリアウインドウのデザインによって、見え方が異なりますから、外から見てみることは大切です。次に車内に移り、運転席から車の四隅を確認してみることです。リアについては、バックミラー、サイドミラーからの見え方を確認しましょう。特にリアの車幅感覚は要注意です。その車種で、最初にバック操作する場合は注意を払いましょう。ミラーや目視で確認して、これ以上進めるかどうか自信が持てない、という時は、迷わずいったん車を降りて、直接確認しましょう。この手間を惜しむと、擦ったり事故を起こしたりして、比較にならないほど膨大な手間が掛かるかも知れません。車を降りるときは、Pレンジへ入れ、パーキングブレーキを掛けることを忘れずに。


乗りはじめの30分と、乗り終わりの30分に要注意

初めての車に乗り込むと、どんなベテランドライバーでも、その車種自体の乗車感覚に慣れるまでの時間がある程度必要になります。

確かに、どんな車でもアクセルとブレーキ、ハンドルという操作方法は変わりません。しかし、ペダルの踏み心地や、踏んでから加速や減速するまでのレスポンス、さらにはライトやエアコンなどのスイッチ類や、エンジン音やウインカー音など耳に入ってくる要素まで含めて、初めての空間に包まれると、人の体は慣れるために神経を集中させるための時間を必要とします。平均すると、初めての車種に慣れるまでに要する時間は30分くらいでしょうか。

この間、身体は車自体に慣れる必要がありますが、同時に道路上に迫る危険をクリアして行かなければなりません。当然、初めての操作系統に戸惑うことが多いのも、この「乗りはじめの30分間」です。その結果、操作ミスによる事故を起こしやすいのがこの30分間ですので、特に注意を払って運転する必要があります。無理は厳禁です。例えば、黄色信号などで、進むか停まるかで迷ったら、迷わず停まる方を選びましょう。この30分間は、とにかくリスクを避けた選択をすべきなのです。

さて、この乗りはじめの30分間を過ぎれば、徐々に身体も初めての車の空間に慣れてきます。それと同時に、意識レベルが下がってきます。これは、悪い意味だけでなく、良い意味で無意識下での操作に移行しているということです。このため、乗りはじめの30分間よりも、事故のリスクは低くなっているはず。ただし、居眠りや漫然運転などには気を付けましょう。

そして、最後に最も注意しなくてはいけない時間帯が「乗り終わりの30分」です。その日の運転の最後30分というのは、運転してきた疲れもたまっている上に、十分にその車種にも慣れて、意識レベルはかなり低下しています。そのうえ、いわば「ホーム」へと戻ってきたという安心感を伴います。これがくせ者なのです。実は、レンタカーやカーシェアなどに限らず、自宅付近での帰宅中の交通事故というのは非常に多いのです。見慣れた景色からか、無意識のうちに緊張から解放された気分を伴い、これが漫然運転や、いわゆる「だろう」運転を招いてしまいます。一日の最後の車庫入れ中に、家族を巻き込んでしまうという、痛ましい事故も毎年のように起こっています。

このように、乗りはじめの30分と、乗り終わりの30分には注意が必要だ、ということを肝に銘じて、安全運転に努めましょう。


電子制御の安全装備オプション

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●近未来のクルマはこうなる

1997の初代トヨタプリウスを皮切りに始まった、次世代エネルギーの自動車。近年はEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)、ディーゼル、高圧縮エンジンなど多様な技術が開発されてきています。

そんな次世代のクルマの動向を探るべく、先日パシフィコ横浜で催された「自動車技術展」を訪れましたので、レポートします。

 

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★ハンドル・ペダルは半分をコンピューターが操作
現時点で操作系、すなわちドライバーが手足で操作する部分というのは電動化が進んでいます。すでに、市販されている車のほとんどは電子制御スロットル、電動ABS、電動パワステを備えています。

十数年前までの車は、主に油圧を使った操作系が中心となっていました。パワステにしても、エンジンの動力をベルトを介して分けてもらい、オイルポンプを回すことで軽々とハンドルを回すための動力としていました。アクセルペダルも、ワイヤーでスロットルとつながっていたため、ペダルを踏んだ量=スロットルを開けた量という図式が成り立っていました。

ところが、現在の電動制御の車は操作系統のペダルやハンドルが直接的に機構とつながっておらず、無段階で調節できる、いわゆる「スイッチ」となっています。そのため、アクセルペダルなどは、急激にペダルが踏まれた場合はスロットルを開けないという制御も可能です。

またブレーキも、電動で制御されるABSをカメラやセンサーと連動させることで、自動ブレーキが可能になっています。昔の単純な油圧機構のみのブレーキでは、このようにドライバーの操作なしに自動操作することはできませんでした。つまり、これらの操作系をコンピューターで制御するようになるということは、人間からの入力がなくてもあらゆる操作することが可能になるということです。

車両やエンジンの制御を行うコンピューターをECUと呼びますが、このECUの情報をインターネット等のネットワークに接続することで、外部からの操作も可能になります。つまり、車をラジコンのように遠隔で操作することも可能な訳です。実際、アメリカの実験では、現時点で市販されている車でも、カーナビのネットワークを使って外部から動かせることが明らかになりました。これは、タクシーやトラックのような配車用途であったり、ドライバーに発作などが起こったような緊急時に外部から操作できるというメリットが考えられます。ただし、一方では、セキュリティの問題が懸念されます。インターネットのウイルスと同様に、外部から悪意を持った第三者が、オーナーの意図を離れて車を動かせてしまう社会になると、まさに走る凶器と化してしまいます。

他方で、このような操作系を電子化することのメリットとして、ドライバーの運転スキルを客観評価できることが挙げられます。アクセル、ブレーキ、ハンドルといった運転操作が電子化されているということは、これらの操作を逐一記録したり、モニターすることができるということです。また車体の傾き具合を計測するGセンサーと連動すると、滑らかな運転、車酔いをさせにくい運転と言った、「運転のうまさ」を客観的に評価することが可能になります。

このことは、ドライバーの意識を高めることに留まらず、事故率の低減や、保険の点数にも影響してくるでしょう。実際、自動車損保会社は既にこれらの運転スキルの指標をデータで集めるプロジェクトを、実験的に開始しています。つまり、運転が上手で、事故の可能性が低いドライバーほど保険料が安くなる、というふうに変わっていくのです。これまで、教習所などでは、運転の上手・下手の評価は、指導する側の経験と勘に頼っていたところがありますが、これからは数値で定量的に評価できるようになるでしょう。

ただし、このような操作系の電子化には、デメリットも少なからずあります。特にハンドル操作の電動化に関しては、油圧のようにダイレクトではない点が課題となっています。ハンドルというのはドライバーが操作してタイヤを回す、という一方通行のものではなく、タイヤを動かす路面の状況を、ハンドルを通してドライバーにフィードバック(情報提供)するのも大切な役割です。しかし、電動パワステではこのフィードバックが素直ではなく、違和感を覚えるものになりやすいのです。その結果、高速道路などを直進するだけなのに、常に細かく舵角修正しないといけない車が増えています。マツダなどの一部メーカーでは、この課題に取り組み始めているようです。


★タイヤの駆動はコンピューターが制御
タイヤは四輪が独立して、自由に細かく動きを変化させることができるようになりそうです。従来の車は、前輪なら前輪の2輪。後輪なら後輪の2輪が、同じ動きをするというのを基本とし、曲がる時のみにデフ(差動装置)で僅かに回転差をつけてやるというのが一般的なものでした。

ところが、電子制御技術の発達で、デフそのものを電子制御したり、新技術であるインホイールモーターなどの開発によって、「タイヤの自由度」が格段にアップしそうな気配です。

これらの電子制御技術が実現することで、路面の滑りやすさや傾斜などに応じて、コンピューター制御でタイヤ1輪ごとに柔軟にグリップさせることが可能になります。これにより悪路での走破性や、雪道での使い勝手は大きく向上するものと思われます。ただし、これまで以上にきちんとしたタイヤの点検は欠かせなくなります。

また、これらの駆動制御が、Gセンサーと組み合せられることによって、タイヤがグリップの限界を超えないような制御も可能になります。現状でも、スリップ防止のための電子制御は可能で、多くの車でESPなどの名称で標準・もしくはオプション装備されていますが、これがさらに高度になるイメージです。タイヤのグリップを常にいっぱいに使った走行や、逆に常に30%程度に抑えた運転などが、コンピューター制御で可能になるということです。つまり、どんな路面でもスリップしないクルマ、そして酔わないクルマが可能になるということです。

なお、マツダが「Gベクタリング」と呼んでいる技術では、直進するための細かなハンドル制御を、車が代行してくれることで、長距離運転での疲労軽減が可能となります。

 

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★メーターはモニター画面に変わる?
運転席で一番目立つ変化は、メーター周りでしょう。現状では、まだ多くの車が普通の機械式メーター、つまりアナログ時計のように針が動いて速度などを示すタイプ。デジタルメーターは、高級車やハイブリッド車など一部の車種に限られています。しかし、今後はメーター全体が1つのディスプレイとなり、そのディスプレイにメーターの画像を表示させるというタイプになりそうです。

ヨーロッパのメーカーではすでに一部市販されていますが、従来メーターパネルがあった箇所にモニターが映し出され、後方カメラ、左右カメラの映像のほか、カーナビの経路なども映し出します。そして、車の周囲についたモニターカメラの画像を、このメーターパネルモニター内に映し出す形になるでしょう。

一部車種では、すでにお馴染になっているヘッドアップディスプレイ(フロントガラスに投影するモニター)も普及が進み、速度や燃料計など、運転中に頻繁に確認する情報は、視線移動が少なく済むこの位置にくることになります。

これらのメーター情報やエンターテインメント情報は、スマホに近い操作感で、ナビ、音楽ほか、車庫入れ操作やクルーズコントロールなどの制御が可能になるはずです。

そして、逆に車内にはドライバーを映すカメラが搭載され、ドライバーの健康状態を常にモニターするようになるかもしれません。ドライバーの健康状態であったり、自動運転と人手での運転の切り替えのために、ドライバーをモニターすることが必要になるからです。

 

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★ルームミラー・サイドミラーは無くなる?
車載カメラの信頼性が高くなり、昔ながらのミラーによる後方確認は徐々に無くなる可能性があります。特に車外にむき出しで設置されるサイドミラーは、空力特性を悪化させて燃費に悪影響がありますし、車の全幅を広げてしまう意味で車の取り回しを悪化させています。これが、小型カメラに代替されることで、燃費も向上しますし、モニター映像をメーターパネル付近に映すことで視線移動も少なくなり、事故の減少にもつながると考えられています。なお、こうしたサイドミラーレスは近年中に市販される予定です。

さらに、サイドミラーだけでなく、車の回りをぐるっと覆うように、多くのカメラとセンサーが搭載されます。これによって、従来の法定のミラーだけではどうしても出来てしまっていた死角が、将来的には無くなる可能性があります。ただし、万が一カメラが故障した場合のための、バックアップ用ミラーは搭載されるかも知れません。


★オートクルーズの大幅進化版
旧来のオートクルーズと言えば、高速道路などでスロットルを一定の開き具合に保ってくれる、というだけのものでした。上り坂がくれば速度が低下しますし、前が渋滞ならしっかり自分がブレーキを踏まないと追突してしまいます。

近年の追従型オートクルーズは仕組みが異なり、スロットルが電子制御になって、ブレーキも電子制御が可能になったことによって、レーダーやカメラが捉えた前車との距離を一定に保ったり、勾配に関わらず速度を一定に保ったりできるもの。これにハンドル制御(レーンキープ)を加えたものが、徐々に市販され始めています。

これがさらなる進化を遂げ、車じゅうに張り巡らされたカメラやセンサーによって、人間や障害物などの道路上の動きを常に補足。周囲の状況に応じて、柔軟にハンドル・アクセル・ブレーキを車が操作してくれるオートクルーズとなるでしょう。これは、もはや半自動運転と呼べるものです。

自動運転には、さまざまな課題があります。まずは、法律との兼ね合いの問題。事故の際の責任の所在や、故障の際の責任の所在をどうするか。さらには、タイヤの消耗具合やベルト摩耗、オイル漏れなどの、自動では難しい点検を所有者が怠ったために事故が発生した場合、責任の所在をどうするのか。また、道交法違反への対応と、自然災害などイレギュラーへの対応も課題です。例えば、電車の線路に飛び込むかのように、道路上へ飛び降りた自殺志願者への対処はどうするのかや、落石や倒木、道路をふさぐ枝などにはどう対処するのかなど、想定すればきりがありません。恐らく海外では、「自動運転車に轢かれた場合、轢かれた方が悪い」といった大胆な政策を取る国が、開発を有利に進めることができるでしょうが、日本では難しいでしょう。

 

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★キーとなるのは電子デバイス
ここでご紹介した、すべての次世代技術は、従来の言葉で言う「電装系」がキーとなります。車というのは誕生から100年間、内燃機械とギア・鉄鋼技術などの機械工学によって作られてきました。バッテリーなどの電気系統は、あくまでもライトの点灯やエンジン始動、エアコンなどの快適装備や娯楽用途に限られた役割でした。ところが、近年は急激に電装系の進化が進み、車はもはや電気電子工学によって作られるといっても過言ではないかも知れません。

従って、すでにハイブリッド車で体現されているように、蓄電池と発電機の役割が非常に大きくなります。バッテリーと言えば鉛バッテリーのことを指していた従来とは異なり、高効率・小型化が可能な次世代のバッテリーの開発が進んでいくはずです。動力としての電気は、充電に時間が掛かったり、そもそもエネルギーの保存が難しいといった欠点があります。これらの研究開発が、今後の自動車のあり方を決めると言っても良いでしょう。

また、電装系の進化は、この20年で急激に発達したIT業界が、自動車業界に出会った結果でもあります。アップルのiPhoneが、カープレイという自動車向け機能を搭載したことは、その象徴でもあります。しかし、ここで懸念されるのは、開発思想が違うといわれるIT業界と、機械系の重工業界がどう折り合いをつけるか、という点です。IT業界の常識である「売ってからバージョンアップすれば良い」、では死者が出る恐れもあるのが自動車です。他社を出し抜く開発の速さと、信頼性の確保をどう両立していくかがポイントになりそうです。

また、先にも触れた自動運転技術ですが、これが社会を一変させるほどの普及を遂げるのは、まだまだ遠い未来になりそうです。自動運転、正確には自律運転を実現させるための核となる要素はAI、つまり人工知能の技術です。単に膨大な量を計算するという従来のコンピューターとは異なり、AIでは情報を学習したうえで人間のように「予測」することが可能になるからです。車のように早い速度で動くものは、予測することなしには安全な選択ができません。この複雑な課題を解決するのがAIだと考えられています。ところが、AIにはフレーム問題という未解決の難題があります。

フレーム問題とは、簡単に言えば「囲碁や将棋などのようにルールが決まっていて、そのルール内の出来事しか起きない、という状況でしかAIは活躍できない」というものです。道路交通にも、もちろんルールはあります。ところが、すべての人や車が道路交通法を守って動いている訳ではありません。こうしたルール違反の相手に対して、どう対処するかは、非常に難しい問題なのです。例えば子供などは、誰もが予測できないようなルール無視を無邪気にやってしまうことがありえるでしょう。しかも、今までAIが実験されてきたような、ロボットやゲームなどの分野と違い、道路交通というのは人命が掛かってくるもの。もし1万分の1でもエラーが起これば、毎日どこかで事故が起きてしまうという世界です。本気で完全自律運転車を開発させようとすると、数十年にも渡る実際の道路でのAI学習が必要で、当然事故が何件も起きる可能性がありますが、これらに目をつむれるかどうか、という話になります。おそらく、日本の道路事情、法律面を考慮すると、非常に長い道のりになるでしょう。

一方で、マツダのように、自動運転を開発しつつもドライバー中心の理念を掲げているメーカーもあります。自動車メーターそれぞれが新技術と、各社の開発理念にどう折り合いをつけていくのか、楽しみに見守りたいと思います。

初心者マークとは?

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●このページの目次

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・若葉マークって何?
若葉マーク、別名初心者マークは、正式名称を「初心運転者標識」といい、ドライバーが初心者運転期間であることを示すためのものです。

初心者運転期間とは、ドライバーが運転免許を取得してから1年未満の期間のことをいい、この期間中は行政罰などのいわゆる「違反点数」について特徴があります。

まず初心者運転期間に違反点数が合計3点に達した時点で、初心者運転講習という、違反者講習に参加しなければいけなくなります。この講習後、初心者運転期間が満了するまえにさらなる違反を合計3点以上犯してしまうと再試験、不合格となると免許取消となります。

一般の免許保有者は、合計6点の違反点数となった時点で免許停止(違反者講習)となりますが、これに比較して初心者運転期間は非常に厳しい体系になっていると言えます。

これは、初心者のうちは運転への習熟が充分でないため、統計的に事故が多く、その対策としての意味合いが強くなっています。


・罰則はあるの?

 初心者マークを正しく掲示しなかった場合は、違反となります。

  • 反則金 4,000円
  • 行政処分点数(減点) 1点
とはいえ、初心者マークをしていない状態だからといって、外部から初心者ドライバーだということはわかりませんので、検問を受けたり、別の違反で捕まった際に免許をチェックされて発覚することがほとんどです。

検挙される可能性が低いからといって、また付けるのが恥ずかしいなどといった理由で初心者マークを付けないで走行するのはナンセンスです。初心者のうちは、どうしても「いざ」という時に、周りのベテランのドライバーの回避スキルに頼らざるを得ない場面が出てきます。この際にきちんと初心者マークを付けていないと、危険回避をしてもらえない可能性が高くなります。つまり、自分の身を守る切り札にもなり得る訳です。


・どこで入手できるの?

 初心者マークは簡単に入手できます。初心者マークには大きさ・形・素材に厳密な決まりがある訳ではなく、あくまで他者からの視認性が確保されていれば良いというものです。

そのため、百円ショップでも売られていますし、カー用品店でもすぐに見つかるはずです。いろいろなタイプがありますが、マグ式がオススメです。マグネットでペタッと貼るだけですので、お手軽です。ただし、車のデザインによっては、後続車や前走車から見えにくい形になってしまう可能性がある場合は、吸盤フック式などを試してみても良いでしょう。


・貼る場所は何か決まっているの?

 道交法では「車体の前面と後面の両方に、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置に表示してください」とされています。

基本的には、後続車や前走車から十分に見える状態になっていれば問題ありません。気をつけたいのは、リアガラスに内側から吸盤フックで留めるような場合で、リアガラスが黒いスモーク状になっている車では、後続車から十分に見えない可能性があります。

一方で、マグ式の場合は剥がれに注意する必要があります。ボディに付けっぱなしにして、炎天下の日が続くと、初心者マーク本体が反り返ってきて、そのうち風に飛ばされてしまうことがあります。

何れにしても、周囲に初心者マークがきちんと視認できる状態でないと、マークが機能を果たしませんので、注意しましょう。


・貼り忘れて捕まったら?

初心者マークを貼り忘れて、捕まってしまった場合は違反を問われることになります。場合によっては、捕まっても見逃してくれることもありますが、これはあくまでも警察官の方の温情。初心者運転期間中とはいえ、ベテランドライバーと同じく責任を負った状態なのですから、反省しなければいけません。

また、先述のとおり初年度の違反は負担が大きいので、正しく付けることを早い段階で習慣づけておくようにしましょう。

車のメカ知識は必要?不要?

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車の免許を取得するまでに、誰もが学科教習の中において、ある程度のメカニズムについて学習します。そして、技能教習の中においても、教習開始時に必ずボンネットを開けてオイルや冷却水のチェックなどの基本的な日常点検を学びます。

ところが、ひとたび免許を取得して、普段から運転するようなドライバーになると、メカニズムはおろか日常点検の仕方すらも忘れてしまうという方がたくさんいます。それでも現在の車は滅多に故障しませんし、メカ知識がなくても全く問題なく運転できてしまいます。では、メカ知識というのは、もはや一般ドライバーにとっては、不要なものなのでしょうか?


★車は免許制の凶器であるという事実

車の運転免許は国家資格の中で最も多くの人が保有するものです。そのためか、なぜ免許制となっているのかを深く考える機会がなかなかありません。決して「操作が難しいから」ではありません。もちろん、教わらないと技術が習得できないからという面もありますが、現在は自動車メーカーの努力によってほとんどの人が特別な技術なくカンタンに運転できるようになっています。一部では自動化も進んでいます。そうではなく、「危険だから」免許制になっているのです。

同じように免許制のものといえば、拳銃が挙げられます。銃器は日本においては、銃刀法によって管理者が登録され、適切に管理運用するよう定められています。

人を殺傷する危険性のあるものは、それを管理する人間が適切に扱う必要があるため、免許制なのです。免許も不要で誰もが自由に凶器を手にすることができる世の中になったら、社会の秩序は保たれなくなるのではないでしょうか。この点では、拳銃であっても、自動車であっても、凶器という意味では同じものです。殺傷能力で言えば、車の方が高いかもしれません。散弾銃などでない限り、小型の拳銃で大多数の人を殺傷するのは難しいですが、車であれば、歩行者の列に突っ込むと大惨事になってしまいます。

*(銃)米国史上最悪の銃撃事件、49人が死亡
*(車)南仏でトラックテロ、80人超が死亡

★「興味がないから」は歩行者にとって恐怖

現在の車はデザインも可愛く、車内はまるで部屋のように広く快適で、ハンドル・アクセル・ブレーキも軽いタッチで効くようになっています。このため、昔の無骨で力が必要だった車と比べると、運転しているという感覚が希薄になっています。日本ではミニバンが大人気である理由のひとつには、「動く部屋」という感覚を持つ人が多いからだと言われています。このため、広くて使い勝手が良ければ、良い車だという評価をされがちで、その結果「動くためのメカニズム」は脇役になります。

メカ知識や日常点検といったものは、まさに「動くためのメカニズム」の部分を看ることであって、多くの方の関心事である「部屋」の部分のことではありません。このため、「とりあえず動けば何でも良い」「そもそも車には興味がない」。その結果、最近の車は故障しにくいこともあり、メカ知識は自分には関係がないし、日常点検なんて誰もしていないから不要だ、と考える方もたくさんいます。

ところが、車というのは、少しでも動く以上は立派な凶器なのです。止まっているだけなら部屋と同じかもしれませんが、動くということは、1トン以上もの塊が加速して慣性力を持つということであり、小型拳銃にも勝るとも劣らない殺傷能力を持つことになります。万が一、ドライバーが操作を誤って歩行者をはねると、重大な衝撃を与えてしまいます。車の衝突の衝撃はなかなかイメージしにくいですが、例えるならばボーリング玉を数十個、同時に歩行者に向かって投げつけるようなものです。

このような凶器である車を管理すべきなのが、運転免許の保有者です。もしもあなたの近所に、拳銃を保管している免許保有者がいて、「興味がないので銃の仕組みはよく知らない」と話していたらどうでしょうか。近所に住むのが怖い、と思うのではなないでしょうか。自動車でも同じです。歩行者にとって、「自分の車だけど興味がないからよく分からない」というドライバーは恐怖です。

この意味でも、「操作だけできれば免許皆伝」という訳ではないのです。その凶器性を理解し、道具としての仕組みを熟知し、しっかりと管理が求められるからこそ、免許制となっている訳です。


★整備士を目指す訳ではないので

メカ知識というと、それを生業にする整備士のレベルまで知らなければいけない、と考える極端な方も中にはいます。もし興味が湧いてきならそれも良いでしょう。しかし、大多数の方に必要なのは、もっと一般的な、ドライバーとして必要最小限の知識です。

知識の範囲でいえば、「教習所で習う学科教習の内容プラスα」です。教習所で習うメカニズムの知識は、範囲としてはカバーされているのですが、いかんせん教科書的で、実戦向きではありません。そして、断片的に学ぶため、全体像が分かりにくいということもあります。このため、すぐに目に見える結果(ハンコ)が求められる技能教習に比べると、いまひとつ熱量を持って取り組まれることが少ないのです。また、全部を同じように学習するため、どれが一番重要なのか、その重み付けも良く分からないという声も聞きます。

一般のドライバーとしてのメカ知識というは、もっとシンプルで、ポイントを絞って知っておけば充分なのです。


★ドライバー目線でのメカ知識とは

すべてのドライバーが知っておくべきなのは、いわゆる「足回り」についてです。足回り、つまりタイヤとサスペンション、ブレーキの知識が大切です。これは、トラブルを未然に防ぐ意味もありますし、運転を上達させる上で不可欠なメカ知識という意味でもあります。

男性に多いのですが、メカを勉強しようとすると、どうしても「パワーアップ」を求めてエンジン周りのことに興味が偏る人がいます。しかし、最も必要なのは足回りの知識です。事故を起こしてしまうか、未然に防げるかは、足回りのメカニズムに拠るからです。

*ほんの少しの知識をつけるだけで車検費用も大幅に安くなります
参考「ユーザー車検マニュアル


また、メカニズムの周辺知識になりますが、ドライビングポジションについても、正確に知る必要があります。これも教習所の知識だけでは充分ではありません。

普段の点検は、最低限タイヤだけでも必ずチェックするようにしましょう。タイヤの点検にかける時間は30~40秒だけです。タイヤの日常点検は、1回の点検時間の長さよりも、点検の頻度の多さが大切なのです。要するに「変化」を点検することが非常に大事なのですね。

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ドライバーに必要な、これらのメカニズムに対する理解は、決して難しくありません。どのくらいカンタンかと言うと、シート1枚にまとまるくらいです。しかし、たったこれだけのことを習慣づけるだけで、事故やトラブルに遭う確率を常に低く保つことが出来る上に、メンテナンスに掛かる費用が安く抑えられるのです。ですから、やらない手はありません。

*参考「車の日常メンテナンス

 

燃費向上グッズより効果的な運転法

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●燃費向上のために一番重要なこと

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車を購入する際に、燃費が良いかどうかが気になる方は多いと思います。燃費の良し悪しは、確かに車自体の設計による部分が非常に大きくなっています。ハイブリッド車やディーゼル車、電気自動車など、いわゆるエコカーの割合がとても増えたことからも、それは見て取れます。しかし、いくら車が燃費効率の良い作りになったとしても、なおドライバーの運転によって大きく変わってしまうのが燃費なのです。

燃費が良い運転なのか、悪い運転なのかは、基本的に「理にかなった運転」かどうかで変わります。燃費が良くなるかどうかは、物理法則に従いますので、それを正しく理解しているかどうかによってきます。

→ 「燃費向上シート」ですぐに理解可能

重い車は燃費が悪く、軽い車は燃費が良い。走行抵抗が多い車は燃費が悪く、少ない車は燃費が良い。これらの基本的な法則は、ドライバーによっても変わる訳です。例えば、高速道路運転中に窓を開けていたり、カスタマイズと称してバンパーを加飾したりすれば、走行抵抗は多くなります。

こうした中で忘れられがちな法則は、アクセル(+)・ブレーキ(-)の踏み込み具合と時間との掛け算によって求めらる面積が、走行距離だ、というものです。つまり、アクセルを踏み込んだ状態を一定に保って、長時間走れば、走行距離は最大になるということです。これは、信号や交差点がない高速道路が、一番燃費が良くなりやすいことからもお分かりでしょう。

一方で、目を向けたいのは、アクセルを踏み込んだり、ブレーキを踏み込んだりしている最中の走行距離です。この間は単純に計算すれば、速度一定で走っている場合の走行距離の二分の一になってしまいます。つまり、ペダルを上下に動かしている時間が長ければ長いほど、燃費は悪化しているということです。高速道路とは違い、市街地では、せわしなくペダルを踏んだり離したりしている方も多いのではないでしょうか。

では、ペダルをあまり動かさずに市街地を走行する方法など、あるのでしょうか?ズバリ、あります。それは、

「車間距離を広く取る」

ということです。単純なようですが、最も燃費に効果的なのが、車間距離を多くとるということです。車間距離を広く取っていれば、例えば前走車が交差点で左折しようとしていても、車間距離が充分なので減速することなく一定速度で走ったままやり過ごしたりすることができます。もしこの場面で車間距離が狭ければ、一度ブレーキを踏んで前車をやり過ごし、再びアクセルを踏み込んでいかなければいけません。つまり、二重に燃費をロスしている訳です。車というのは、一定速度で巡行している時が最も燃費が良くなります。

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長距離トラックのドライバーは、体験的に車間距離を広めに取ることが最も燃費よく、かつ楽に運転できることを知っています。中には急ぐようにして、車間距離を詰めて走っているトラックドライバーもいますが、時間的に早く到着できる訳ではありません。車間距離を詰めて車線変更を繰り返すことで得られた時間というのは、1回トイレに寄ればチャラになってしまう程度のものです。

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燃費が良くなれば、当然コスト面でお得になります。車間距離の広さは、そのまま数百円といったお金に換算して考えることができます。それだけではなく、万一の際の安全マージンを広く確保することになりますから、保険の意味でもお得になります。せっかくエコカーに乗っているのであれば、ぜひ自分の運転も一度見直してみてはいかがでしょうか。

燃費向上シート

MT免許(普通免許)は世界に出るなら必須

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日本に住んでいる限りは、周囲を走る車がAT車とCVT車がほとんどを占めているため、AT限定免許であっても困ることはほとんどありません。また、アメリカやお隣の韓国など、馴染みのある外国も大抵はAT車優位の国であるため、世界の趨勢は「2ペダル車」だと考えている方が多いようです。

ところが、統計によると世界ではMT車が圧倒的に多く、多種類のトランスミッション(従来型AT、CVT、DCT等のセミAT)が存在している現在においても、ナンバーワンの座はMTであるということです。そして、一定数の支持を得続けるという点で、それは今後しばらくは変わらないだろうというのが専門家の予測です。

■世界のトランスミッション動向
IHSサプライヤービジネスレポートによると、現存するトランスミッションの種類の中で、最も世界シェアが多いのがMTで、割合は45%を超えます。ヨーロッパにおいてはさらにその割合は高まり、7割を超える車がMT車と言われています。

今後は世界的にセミAT車(いわゆる2ペダルMT車)の割合と、従来型のATが進化した多段AT車がシェアを伸ばすだろうとのことです。一方でCVT車は日本国内にとどまり、MT車は一定数の割合を保つということです。


なお、Shift UP Clubとしては、自動運転が実現する段階になると、日本国内にとどまっていたCVTが逆転して標準化し、一方で人間が運転する車ではMTが一定数の割合を相変わらず得るものと見ています。

CVTは燃費と出力のバランスが非常に良い反面、人間の操作意図を読み取りにくい(そして結果をフィードバックしづらい)という欠点があります。自動運転になると、運転の指揮を執るのはコンピュータですから、CVTとの相性は良いはずです。一方で、MT車が支持され続ける理由は、運転しているという実感を得やすいという点と、他のトランスミッションと違い、自動車メーカーが内製するため安く仕上がるという点、さらにドライバー次第で運転モードを自在に無段階に選べるという点などが理由となるでしょう。


また、先日開催された「人とクルマのテクノロジー展」に関する日刊自動車新聞(2016年5月23日)の記事でも、MT車の健在ぶりが話題となっています。

◆また、新型車に搭載された最新技術を体感でいる試乗会では、自動車メーカーからの投入が再び増えているマニュアルトランスミッション(MT)車の用意を拡充している。ユーザーニーズとして根強い「走り」の技術を体感できるようにした。

◆特別企画のテーマを『いつまでも、くるまにワクワク、ドキドキ、ときめきを』に設定した
「先進運転支援システム(ADAS)などアクティブな安全技術が盛り上がりをみせる一方、ドライバー自身による『走りを楽しみたい』というニーズは根強い。実際自動車メーカーもマニュアルトランスミッション(MT)の設定がある車種を再度増やしている。こうした機運を受けて、今回は走りの楽しさに焦点を当てた講演会を開催する。」

 

引き続き、新しいMT車の動向に注目していきましょう。

自動運転機能、テスラ車と日産車

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自動運転を謳ったシステムを、最初に搭載した国産車は日産セレナでした。同社が「プロパイロット」と呼ぶシステムは、いわゆる自動化レベル2の、「複数の操作を自動車が行う」という段階のものです。もちろん、レベル4の自律運転(ドライバーがいなくても走る車)とはほど遠いものの、自動運転という言葉を使って販売する初めての車ということになります。

折しも同じ年に、米国メーカーのテスラ車が、自動運転中に死亡事故を起こすというニュースがあった中でのリリースとなりました。そこで、実際にテスラ車に乗った記者の感想が記事となっていましたので、引用してご紹介します。(写真は本文と関係ありません)

 

●本当は怖い? 初の死亡事故が起きたクルマの自動運転、意識改革必要か

 

クルマの自動運転機能で初とされる死亡事故が2016年5月、アメリカで発生。実際に事故車と同型車を運転したところ、大きな衝撃を受けました。ドライバーは「自動」ということに対する認識を、根本的に変える必要がありそうです。

印象は「メチャメチャ怖い!」
2016年6月30日(木)、クルマの自動運転機能による初の死亡事故が発生したことが明らかにされました。

事故が起きたのは今年5月7日。アメリカのEV(電気自動車)メーカーであるテスラモーターズの「モデルS」が、中央分離帯のある幹線道路を自動運転で走行中、前方で交差点を左折しようとしていた大型トレーラーに衝突したと説明されています。

そしてこの事故発生時、ドライバーがDVDを鑑賞していた可能性があるとも報道されています。目撃者によると事故後、車内のポータブルDVDプレイヤーから『ハリー・ポッター』が流れていたとのこと。


事故が起きたのと同型のテスラ「モデルS」(2016年1月、清水草一撮影)。

私(清水草一:首都高研究家)は今年1月、テスラ「モデルS」の自動運転を体験し、大きな衝撃を受けました。理由は、多くの記事にあるようにその優秀性に驚いたからではなく、「メチャメチャ怖い!」と感じたからです。

私が恐怖を感じたのは、運転したのが2時間程度で完全に慣れるには至らなかったこともあるでしょうが、それだけではありません。

自動運転のドライバー、注意すべきは「白線の濃さ」?
テスラの自動運転において、ステアリング操作はおもに道路上の白線をセンサーが認識することで行われ、ドライバーがステアリングに手を添えていなくても機能します。

しかし白線が薄くなっていたり、消えていたりすると機能しません。私が試乗した首都高上やお台場周辺の一般道に白線が不鮮明な個所はいくらでもあり、それがカーブだと、自動運転によるステアリング操作が一瞬遅れるように感じました。実際、見失っているのかどうか厳密なところはわかりませんが、もしそこで曲がらなかったらぶつかってしまうかもしれませんから、そのたびにステアリングへ手を戻し、自分で操作しました。それはほとんど“肝試し”で、自分で運転するよりはるかに高い集中力を要しました。

つまりドライバーは常に「白線の濃さ」(!)に集中し、前方に白線が薄い部分を発見したら、クルマが行くべき方向を見失うのに備えて、いつでも自らステアリングを切れるよう“心の準備”をしていなくてはなりません。

自動運転を解除して通常の運転に戻すと、その緊張感から解放され、思わず安堵のため息が出ました。少なくとも首都高上では、自分で運転していたほうがはるかに気楽でした。

これが直線道路なら、白線が多少消えていても直進を続ければいいのでそれほど問題はありませんが、カーブの多い道路でそうは行きません。接触事故レベルならそれほど特殊な状況でなくとも起きるのでは、というのが個人的な感触です。

「自動ブレーキ」とは逆になる「自動運転」
テスラの自動運転センサー技術は、スバルの「アイサイト(ver.3)」と同レベルか少し劣っているというのが、専門家の一致した見解です。つまり、テスラの自動運転をONにするのは現時点ではまだ「冒険」であり、自分で運転するよりも高い集中力が必要です。

またテスラの自動運転は、ウィンカーを出すと車線変更も自動的に可能ですが、交通量の多い道路ではまさに「冒険」そのもの。ウィンカーを出すタイミングを測るには、非常に高度な運転先読み技術が必要です。逆にそこが面白味でもあり、個人的にはこれほどのリスクを冒して新技術の実用化にいち早く挑戦するテスラ社には尊敬の念を抱いていますが、ドライバーは「自動運転のほうがかえって難しい」という事実を理解する必要があります。

(中略)

自動運転がONになっているときは、“ドライバー自身が最後のセーフティネット”です。いわゆる「自動ブレーキ」は、“人間のミスをカバーする機械的なセーフティネット”ですが、自動運転の場合、その順序が逆になるのです。

しかもドライバーには「クルマが危機を回避してくれるはず」という予断があり、危ないと思っても、「いや、もう少しクルマにまかせよう」と思ってしまいます。たとえわき見をしていなくても、その分、ブレーキを踏んだりステアリングを切ったりする動作が遅くなる可能性が高いのです。

テスラ社に限らず、現在の自動運転技術はまだあくまで「ドライバーをサポートするもの」です。では、ドライバーが介在する必要のない「完全自動運転」が実用化されるのはいつでしょうか。

それは「自動運転による事故の確率が限りなくゼロに近づいたとき」としかいえません。特に、一般道における自動運転は歩行者や自転車という不確定要素が存在しますから、ドライバーが“最後のセーフティネット”として待機しない限り、なかなか難しいでしょう。

たとえリスクが限りなくゼロになっても、万が一の事故の際には、誰かが責任を取らねばなりません。免許を持たない高齢者が通院に自動運転車を使えるようになるのは、かなり遠い未来のことだと予想します。


引用元:乗りものニュース 2016年7月6日 0時0分

 


上記の記事にもありますが、当面の問題点は「自動運転」という言葉を使ってしまうことにありそうです。普通、自動運転と聞くと人間が運転しなくても走行してくれる状態、いわゆる自動化レベル4相当の車をイメージします。少なくとも、機械的な仕組みを意識することなく、コンピュータの判断をおおむね信頼しても良いものだ、という印象を受けます。実は、多くの人が抱くこのイメージは「自律運転」のものであり、一部もしくは複数の操作を「部分的に」コンピュータが代行してくれるものが現状の「自動運転」です。

しかし、テスラ車で事故に遭ったドライバーも(本当かどうかは未だ不明ですが)車内で映画を鑑賞していたという報道もあり、自律運転車のつもりで乗っているドライバーが多いのではないかと思われます。それもある意味、無理からぬことで、何しろテレビCMなどでは、あたかも自律運転車であるかのように、ドライバーがリラックスした姿をイメージさせています。ところが、レベル2である現状では、上記記事の通り、通常の運転よりもむしろ集中力を高めて、コンピュータの認識ミスを常時監視していなければならないのが現状です。

それにもかかわらず、(現実よりもより良く見せるために)未来を先取りしているかのようなマーケティングを行うのは、恐らく株価を意識してのことでしょう。テスラのように、自社商品のユーザーが自動車メーカーの広告を受けて自律運転車であるかのように扱い、その結果事故につながってしまえば、技術力のイメージを棄損してしまうはずです。米国は新しい技術での失敗に対しては、比較的寛大な態度を取るお国柄ですが、日本は違います。自動運転車を過信して死亡事故を起こし、その原因が車を過信させるような広告にあったとしたら、イメージの棄損は大きいでしょう。そのようなリスクを取ってでも、大きく広告を打たなければならない台所事情もあるのかも知れません。

機能自体は決して悪いものではなく、渋滞時の疲労軽減など大きな可能性を秘めています。広告を見て過大な期待を抱くのではなく、ドライバーとしては、正確な認識を持っておく必要がありそうです。すなわち、「従来からあるクルーズコントロール機能が強化され、一部ハンドル操作もできるようになった」というものです。プロパイロットを使う方は、安全を最優先して徐々に慣れるように使い始めることをお勧めします。

 

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ATとMTの走行モードについて

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  • AT車:走行モードを決めるのは車メーカー、最大3つ程度、ボタンでON/OFF
  • MT車:走行モードを決めるのはドライバー、数は無限大、手動シフト操作

 

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AT車の走行モードは車種によって異なります。数十年前のAT車は、通常モードとEcon(エコノ)モードの2つというのが定番でした。その後車種によってスノーモードなどが登場。そして現在ではパワーモードやスポーツモードなど、複数の走行モードが搭載されているAT車が増えています。一方でMT車には、そういう走行モードというのは見当たりません。これは、どういうことでしょうか。

実は、AT車やCVT車が自動的に変速してくれていると言っても、その変速の仕方とタイミングは一律ではありません。自動車メーカーのセッティングによるのです。そして、そのセッティングに従ってトランミッションは機械的に変速していきます。AT車では、ドライバーが変速に関して出せる指示はアクセルペダルの踏み具合のみです。あとは、自動車メーカーが決めたセッティングに従って変速される訳です。つまり、その1パターンのみの走行の仕方となります。

ところが、走行パターンが1種類だけでは都合が悪いことがあります。自動車メーカーとしては、燃費性能を売りにするために、燃費を重視したセッティングをしたくなります。つまり、なるべく早くシフトアップし、少しでも上のギアで走るようにセッティングする訳です。これで、燃費を稼ぐシフトチェンジになります。ところが、この1パターンしか走行モードがない場合は、山道や高速道路での追い越し加速などで困ることになります。常に高いギアになっているため、充分なパワーが出ず、ドライバーからは「鈍重な車だ」という評価を受けてしまうでしょう。

このような「燃費スペシャル」な車だという評価を避けるために、もう一つ走行モードを用意します。つまり、シフトアップするタイミングを遅めにして、少し高めのエンジン回転を使う走行パターンです。そして、これらの2つの走行パターンに「Econモード」「通常モード」などと名付ける訳です。近年では、さらにシフトアップを遅めにして、高い回転を維持する「スポーツモード」などを設けている車種もあります。

さらに、シフトアップのタイミングだけでなく、シフトダウンを制御する場合もあります。従来のAT車では、アクセルを緩めたりブレーキを踏んだりして速度が落ちると、自動的に1速や2速といった低いギアにシフトダウンされます。信号待ちなどで停車すれば、自動的に1速になります。ところが、このシフトダウンのタイミングも、ドライバーが操作するまでそのギアポジションを維持するような車種もあります。いわゆるパドルシフトと呼ばれる、ステアリングコラムについたスイッチでギアポジションを操作するタイプの車種に多くなっています。

また、CVT車はギア自体がないのですが、擬似的にギアがあるかのようなエンジン回転の使い方でシフトアップ、シフトダウンする車種も増えています。ここでも、D(ドライブ)ポジションだけでなくS(スポーツ)ポジションなどを設けているものも見られます。

そして、スノーモードは、変速のタイミングではなく、「1速を使わない」といった制御を行います。雪道やアイスバーンでは、1速だとパワーが過剰になり、駆動輪が滑ってしまう恐れがあるため、パワーがより少ない2速で発進するためのモードです。

AT車には、これらの走行モードが付いていますが、MT車にはついていません。これは、MT車の場合、ドライバーが走行モードを無段階に決めることができる」からです。

例えば、ATでは「発進時だけパワーモードで、巡航時にはEconモード」とするには、その都度シフトレバーやボタンを押して走行モードを変えなくてはいけません。また、「少しだけパワーモード」とか「中くらいのパワーモード」などという制御はできません。しかしMT車の場合は、ドライバーのシフト操作のタイミング次第で自在にコントロールすることができます。発進から加速時はパワー重視で遅めのタイミング、3速以上は早めに、などという制御も自由自在です。また、雪道や滑りやすい道では2速発進すれば良いですし、場合によっては3速発進も可能です。

このような自由度がMT車の特徴であり、MT車ドライバーが運転時に意識すべき点でもあります。

ちなみに、AT車でも路面状況や周囲の状況をセンサーなどで情報を取り入れ、適切なギアを選択するような技術が開発されつつあります。


CVT、DSG、DCT、PDK、AGSの違い

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SAKURAKO - TOYOTA FJ.

従来のATやMT以外に、CVT、DCT、PDK、AGSなど様々な呼び方の新型トランミッションが登場しています。たくさんの種類と呼び名があり過ぎて、これらの違いがよく分からないという方もいるでしょう。

違いが分からなくても運転自体はできますが、乗りこなせるかどうかという意味では正しい理解が必要になってきます。

 

 

1)ギアボックス自体が独自の構造のもの(AT)

  • AT(最も普及している)
  • CVT(省燃費車に多く採用)

2)中身はMTで操作が自動化されたもの(セミAT)

  • DSG(VW)
  • DCT(GTR、ランサーEVO等)
  • PDK(ポルシェ)
  • AMT
  • AGS(スズキ)など

※DCTはデュアルクラッチ式セミATの総称、AMTはオートメイテッドMTの総称として使われることがあります。


まず1に関しては、機械的な構造自体がMTとは全く異なります。従来のAT車はギア自体は多段階に存在しますが、クラッチの役割のあるトルクコンバーターと一体化された構造となっています。またCVTは構造自体がまったく異なり、ギアがありません。ベルトを介して無段階で減速できるトランミッションとなっています。

次に2に関しては、基本構造がMTと同じです。MTと違うのは、ギアチェンジとクラッチ操作を機械が行ってくれるという点で、このことからロボタイズドMTなどとも呼ばれています。そして、この意味ではいずれも基本構造としては同じものなのですが、自動車メーカーごとに呼び方が異なるので、それぞれDCT、PDKなどと名付けられているのです。名前が異なるだけでなく、自動化の制御や伝達の仕組みもメーカーごとに工夫を凝らしていて、例えばVWグループのDSGは、クラッチを2セット使い、常に空き側を準備しておくことで、ギアチェンジの空走時間をほぼゼロにしています。このメリットの反面、重量増や価格増、整備性の悪化などの課題はあります。

いずれのトランミッションでも、2ペダルで運転できるということで、従来のATと同様に運転できると思われがちですが、注意点もあります。外車や一部の国産車では、MTと同様にギアチェンジのタイミングを取らなくてはいけなかったり、発進時にいわゆる「クリープ」現象がないトランミッションがあります。これらの車では、MT車での教習を受けておくのが望ましいものです。エンジン回転をギアの変速によって制御するという視点がないと、車の性能を充分に発揮できないからです。

★シフトチェンジポイント上達

よく、「F1でもATが使われているからATが有効だ」という意見が聞かれますが、上記の種類で言えばモータースポーツで使われているのは主にMTをベースとしたトランミッションです。従来型のATとは全く異なります。一般向けの乗用車に搭載するトランミッションとしては、操作性、重量、ロス率、燃費性能、価格、整備性、流通性などの点において、いまだにMTが最良であり、今後も当面はMT(およびMTをベースとした簡易版)が主流となりそうです。

坂道発進でエンスト、パニックに!?

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坂道

・坂道発進では心理的にパニックになりやすい

 MT車での難関のひとつに坂道発進が挙げられます。MT車には、AT車のようなクリープ現象(ブレーキペダルから足を離すだけで進み始める)がありませんので、ドライバーの意思で発進操作しなくてはいけません。MT車での発進操作は、左足でクラッチ操作、右足でアクセル操作をしますので、同時にブレーキペダルを踏むことができないのです。従って、傾斜のある場所での発進は、発進操作する間だけサイドブレーキを使って車をその場に留めておかなければいけません。サイドブレーキの引きが甘ければ車は後ろに下がってしまいますし、車が進み始めるのとサイドブレーキを下すのをうまく合わせないと、タイミングがずれて後ろに下がってしまいます。

AT車では、平地と全く同じようにブレーキペダルからアクセルペダルへと右足を踏みかえるだけですので、簡単です。これに比べてMT車では手順が少し複雑であるため、初心者にとって難関となっているのです。

それに加えて、後ろに下がってしまうかも知れない、後続車にぶつかってしまうかも知れない、という恐怖感が心理的なパニックを引き起こすことがよくあります。これを克服するには、半クラッチの手順とその仕組みを熟知することしかありません。


・MT車でエンストするとこうなる
坂道発進に限りませんが、MT車では操作ミスによってエンストしてしまうことがあります。こうなると当然、エンジンが停止してしまう訳ですが、このことが、どのような影響を及ぼすのか、よく分からないという方も多いようです。エンストすると、具体的には次のような影響があります。


・ブレーキがほとんど効かなくなる
エンストすると、エンジンの回転が止まる訳ですから、エンジンの力を借りて動いている機械類は使えなくなります。そのひとつがブレーキです。正確に言えば、まったく効かなくなる訳ではありませんが、ほとんど効かなくなります。それは、ブレーキペダルを踏む力を倍増させる装置(倍力装置)が、エンジンの力に頼っているためです。坂道では、この状態は非常に危険です。下記のサイドブレーキの活用と合わせて、フットブレーキも思いっきり踏んで、下がらないようにしましょう。

 

・サイドブレーキは効く
サイドブレーキには特に影響はありません。もともと駐車ブレーキとも言われる通り、エンジンを掛けていない状態でも後輪にブレーキを掛けておくための装置だからです。ただし、フットブレーキとは違い、ブレーキの力は弱いですから、サイドブレーキの力を借りたい場合は、一杯まで引く必要があります。(スイッチ式のパーキングブレーキの場合は自動で一杯まで引かれます)

・ハンドルが重くなる
ハンドルは重くなります。これは通常、エンジンの力でハンドルを回す力をアシストしている(パワーステアリング)からです。エンジンが止まってしまうと、パワーステアリングの機能が失われ、重いハンドルの動きになります。

 


・坂道発進失敗、リカバリーはこうする
万一エンストしてしまったら、誰でも少なからずパニック状態になるはずです。エンストしてしまった場合でも、上記の通りまったく操作ができないという訳ではありませんから、落ち着いて以下のように対処しましょう。


・まずは停止することを考える
平地でエンストした時のように、何も考えずにいると、車は徐々に後ろに下がっていってしまいます。これを防ぐために、まずはなるべくその場で完全に停止できるように考えましょう。エンジンを掛けようとするのは、その後で十分です。完全に停止させるためには、まずサイドブレーキをいっぱいに引きます。サイドブレーキは後輪だけに効きますから、上り坂では効果的です。ただし、絶対的な制動力は弱いので、一杯まで引くことが大切です。そして、傾斜によってはこれだけでは止まれませんので、フットブレーキを思いっきり踏みます。1トン以上の重量物を足の力だけで止める訳ですから、完全には止められませんが、サイドブレーキと合わせて思い切り踏みましょう。

フットブレーキは何度もパカパカと踏まず、最初の一回で強く踏んで止まれるようにしてみましょう。これはエンスト後、最初の1回は倍力装置の力が残っている場合があるからで、何度も踏むとどんどん効きが薄れてくることがあるからです。

・落ち着くこと、焦りは次のミスへつながる
無事に停止できたら、焦ってエンジンを掛けようとするのはいけません。まずは心を落ち着かせることが非常に大切です。この時点で後続車がクラクションを鳴らして来たりすることもあるでしょう。それでも自分に言い聞かせるようにして、心を落ち着かせましょう。なぜなら、この心理は「リカバリーへの焦り」と言って、復帰を急いでパニック状態の心理のまま次の操作を行うと、次の重大な事故へとつながることが非常に多いからです。つまり、エンストという小さなミスが、さらなる大事故へのトリガーとなってしまうことがあるのです。これは、AT車のアクセルとブレーキの踏み間違い事故でもよく見られます。バックするつもりで誤ってDレンジへ入れてしまい、車が予想外の方向へ進んで「リカバリーの焦り」が発生。ここで焦ってブレーキを踏んだつもりがアクセルペダルだった、というのが踏み間違い事故の典型例です。小さなミスを、次の大事故へのトリガーとしないためには、ここで心を落ちつかせることしかありません。

・落ち着いてエンジンを掛け、ゆっくり発進操作
心が落ち着いていないと、エンジンを掛けようとしても掛からない、ということがあります。つまり、クラッチスタートシステムなのにクラッチペダルを踏んでいない、焦るあまりキーを回す時間が不足している、など普段では考えられないミスです。この状態では、まだパニック状態にありますので、しっかり心を落ち着けましょう。後続車のことは一旦忘れて、自分の世界に入るイメージで大丈夫です。そして、落ち着けたら、エンジンを掛けて、半クラッチを長めにしてゆっくりと発進しましょう。

 

・坂道ではエンストしないのが一番
このように、MT車では、とくに坂道ではエンストさせないのが一番です。慣れるまでは、半クラッチを多めにしてでもエンストさせないように心がけてみましょう。慣れてきたら、徐々に無駄のない半クラッチを練習していけば良い訳です。

もし失敗したら、無理に発進を終わらせようとするのではなく、途中でクラッチを再度踏み、ブレーキを踏めばOKです。エンストさえしなければ、2回目のチャレンジができますので、落ち着いてもう一度発進操作をしてみましょう。


・MT車でもヒルホールド機能付きなら安心
近年のMT車には、ヒルホールド機能と言って、坂道での発進時に1~2秒程度の間、自動的にブレーキを掛けて、下がらないようにしてくれるものがあります。この機能がついた車なら、下がってしまう恐怖心からは解放されます。どうしても不安な方は、こうした機能を持った車を探してみると良いでしょう。

 

▼動画レポート「AT限定解除に挑戦!MT車に乗りたい!」

 

MT車・AT車に関するこちらの記事も合わせてお読み下さい。

▼MT車(マニュアル車)でエンストしない方法

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MT車でエンストせずに、スムーズに運転するコツは、MT車攻略マニュアルでどうぞ。

 

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TPMS(タイヤ空気圧・温度モニタリングシステム)の勧め

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パンクはJAFの救援依頼の常にトップ3以内

車のメンテナンスの中で最も重要で、安全・快適な走りに寄与するものは、何と言ってもタイヤです。

それにもかかわらず、多くの方はタイヤのメンテナンスについて意識していません。むしろ、タイヤそのものにあまり興味が持てないという感覚の方が近いかも知れません。何しろ、真っ黒なゴムですし、運転中に目に見える訳ではないので、よほどトラブルにならない限りは意識もしないのが普通かも知れません。

しかし、どんなにエンジンの調子が良くても、どんなにパワーアップさせても、どんなに上手な運転をしようとも、タイヤのグリップ力以上の力は路面に伝わることはありません。そして、タイヤがパンクしてしまえば、他の部品が全て正常であっても走ることはできなくなります。それどころか、急なパンクはスピンや追突を招いて命の危機にさらされることさえあります。まさに、「タイヤは命を支えている」のです。

これだけ重要なタイヤですから、乗員の命を預かるドライバーとしては、メンテナンスのポイントを押さえて、しっかり管理しておきたいところです。

タイヤの点検は、数十秒で終わります。空気圧・磨耗具合・損傷具合を見る訳ですが、ポイントは1回の点検時間ではありません。ポイントは「頻度」です。1回あたり数秒見るだけでも良いので、頻繁に点検するのが有効なのです。つまり、経年変化を見ていくのがタイヤ点検の特徴です。

毎回、朝一番に車に乗り込む前にタイヤの空気圧を確認するのがベストなのですが、なかなか習慣化できない方も多いでしょう。そのような方にお勧めするのが、TPMSです。

TPMSとは、四輪それぞれのタイヤの空気口に専用のセンサーをつけて、電波を通して運転席の小型モニターで、リアルタイムに空気圧・温度を確認することができるシステムです。外国車では最初から搭載されている車もありますし、国によってはTPMSの装着が法律で義務付けられているところもあります。それだけ安全確保に有効であるということです。

TPMSのメリットは、次の通りです。


  • 四輪それぞれの空気圧が数値で分かる
  • パンクなどで空気圧が変化(つまり下降)した際に警告する
  • 四輪それぞれのタイヤの温度変化をリアルタイムに確認できる
  • 上記情報のために車外に出る必要がない
  • 数値変化が「見える化」することで、タイヤへと意識が向くようになる

 

特に、空気圧チェックのために、車外に出る必要がないというのは大きなメリットです。ただし、運行前点検として、磨耗具合・損傷具合のチェックのための目視だけは欠かさないようにしたいものです。空気圧チェックの手間が省けるため、目視だけならほんの一瞬で終わります。

逆にデメリットとしては、費用が掛かる(1〜2万円程度)こと、設置しなくてはいけないことがあります。ただし、設置についてはかなり簡単に設置できるシステムも出ていますので、手が出しやすくなっています。

ETC車載器のような、直接的な金銭メリットがないためか、それほど普及が進んでいないTPMSですが、無用な事故やトラブルに巻き込まれることを事前に防げるという点で非常に有用なものです。安全に対する投資として、検討してみていはいかがでしょうか。







AT車で積極的にギアチェンジを活用した運転法

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シフトレバー ●このページの目次

 


 

1)Dレンジ以外を使う意味はあるのか

  AT車には、ギアレバーがあり、通常はD(ドライブ)レンジに入れて走行します。車種によっては、それ以外にパドルシフトがついている場合があります。これについては後述します。

車種にもよりますが、Dレンジ以外にも走行レンジが用意されていることが多いはずです(P、R、Nレンジは除外)。例えば、3、2、L、S、Bなどのマークがあるギアポジションです。

  • D:1〜4速(車種によって5速以上)でのオートマチック変速
  • 3:1〜3速でのオートマチック変速
  • 2:1〜2速でのオートマチック変速
  • L:1速ギアに固定
  • S:スポーツモード等、変速タイミングを遅らせる(=エンジン高回転を使う)モード
  • B:ブレーキ、エンジンブレーキを活用するモード

※メーカーや車種によって呼び名や機能が異なります

AT車では、確かにDレンジに入れておきさえすれば、何の問題も起きずに走行することができます。しかし、このように、ギアポジションが設けられているということは、使う意味があるということです。

2)エンジンブレーキ以外の意味は薄れつつある

D以外のレンジが設けられている理由は、AT車の構造にあります。AT車は、言い換えると、自動変速機です。変速という仕事が無くなった訳ではなく、機械が人間に代行して行っているということです。ところが、人間がMT車を扱うように、AT車は変速をすることができません。なぜならAT車は、路面の傾斜や渋滞状況、進む先の信号、自転車や歩行者の有無など、周囲の様子を見てギアチェンジしている訳ではないからです。では、どのようなタイミングでギアチェンジしているかと言うと、運転者が行うアクセルの踏み具合に応じて、最も早いタイミングで一段上のギアへとシフトアップします。このようなタイミングに設定(プログラム)されていますので、ドライバーがそのタイミングをコントロールすることは基本的にできません。アクセルの踏み具合でギアをコントロールできると思っている方もいますが、実際には難しいものです。なぜならアクセルペダルの主要な仕事は加速すること、つまりスロットルの開度を調節することだからです。変速タイミングを決めるのはあくまで機械です。要するに、自動車メーカーが設定した変速タイミングに沿った運転しかできない訳です。

普通は、最も燃費の良くなる変速タイミングが設定されているため、普段は困ることはありません。ところが、場面によっては、この変速タイミングが仇となることがあるのです。

それが顕在化した現象が、いわゆる高速道路の「サグ渋滞」です。そして、もう一つは、長い下り坂でのエンジンブレーキです。この2つについて見ていきましょう。

3)高速道路の緩やかな上り坂では絶対に活用

高速道路の長い上り坂では渋滞が発生しやすいと聞いたことがある方も多いでしょう。これはいわゆるサグ渋滞と言って、混雑による渋滞とは区別されます。長い上り坂だと、坂だとは気がつかないことがあります。ドライバーは平地のつもりでアクセルペダルを一定にしていると、速度は徐々に低下していきます。ここで、1台だけなら問題にならないのですが、後続車が複数いる場合は、ブレーキを踏まなくてはならず、さらに後ろの列へは徐々に減速度合いが増幅して伝わっていってしまいます。特にその手前が下り坂になっていると、後続の車列は余計にブレーキを早く踏まなくてはならないので、すぐに渋滞になります。これによって、交通量自体は道路の許容範囲内であるにもかかわらず、渋滞が発生してしまうのです。

これには、AT車のメカニズムが大いに関わっています。AT車は基本的にメーカーが設定したシフトタイミングでしか走行できません。燃費を向上させるために、なるべく長い時間を、高いギアで過ごそうとするのが普通です。そのため、高速道路では一度トップギア(5速、車種によってはそれ以上)までシフトアップされると基本的にはシフトダウンされません。シフトダウンされるのは、次のケースに限られます。

  • キックダウンした場合(アクセルを踏み込む)
  • 手動でシフトダウンした場合(ODオフ、3、2等)

キックダウンとは、アクセルペダルを強く踏み込むことによって、低いギアへとシフトダウンさせるための操作です。このキックダウンは車種にもよりますが、かなり踏み込まないとシフトダウンしないことが多いのです。これも燃費を意識したからこその設定でしょう。また、激しい運転に思えるからか、特に女性はキックダウンをあまりしない傾向があるようです。

一方、手動でのシフトダウンは、レバー(またはボタン)を動かしたら、強制的にシフトダウンされます。シフトダウンするには、この方法が確実です。上記のキックダウンでは、微妙なアクセル操作がしにくく、シフトダウンした後でも加速しすぎになりがちです。

このように、サグ渋滞とは、ほぼAT渋滞と呼んでも良い、構造的なものです。渋滞の原因とならないためには、手動でシフトダウンすることです。

ただし、傾きセンサーやカメラなどによって傾斜や路面を感知して最適なギアを選択するATも登場しています。いずれにしても、ドライバーとしては、きちんと路面状況に注意を払い、速度をしっかりと確認することです。

4)山道の長い下り坂ではエンジンブレーキを活用

山道などの長い下り坂では、エンジンブレーキを活用するための手段としてのシフトダウンが有効になります。従来型のAT車の場合、高いギアを選択しがちである上に、トルクコンバーターという流体クラッチの仕組み上、エンジンブレーキを効かせて坂道を下るのが難しかったのです。そのため、ODオフを始め、3、2などのエンジンブレーキ用のポジションが用意されていました。

近年では、ロックアップ機構が発達したため、比較的エンジンブレーキの利き目を享受できるようになりました。このため、以前のような3、2といったポジションではなく、ひとつだけSやBなどブレーキ専用のポジションが用意されることが多くなっています。ロックアップによって、ある程度坂道ではアクセルオフだけで減速できるのです。 ただし、低いギアでエンジンブレーキを効かせるためにロックアップしたままにしたいのか、それとも一段上のギアにシフトアップしても良いのかは、まだうまく制御できません。ドライバーの操作はアクセルをオフにしただけですから、直結してそのままのギアを保つのか、一段上のギアにするのかは機械が決めることになります。

そもそも、ドライバー個々の感覚や趣向によって、下り坂では一段下の強めのエンジンブレーキの方が安心できるのか、それとも一段上のギアでフットブレーキを併用しながら走った方が運転しやすいのかは、異なります。ですから、一律に傾きセンサーやカメラなどのセンシングを行っても、オートマチックな制御がうまくいくとは限らないのです。将来的にはAIが搭載されて、ドライバーの運転志向を学習する可能性はあります。

いずれにしても、現段階では手動でシフトダウンを行って、エンジンブレーキを活用した方が、より安心して下り坂を走行することができます。

5)パドルシフトがついた車ではタコメーターを意識して

パドルシフトがついた車種はかなり増えています。ハンドル横のフリップを手前に引くことでギアチェンジができる機構です。このパドルは、MT車のシフトレバーとは違って機械式ではありません。電気的なスイッチとなっていますので、さほど丁寧な操作に神経を注ぐ必要はありません。

また、従来型のATにしても、CVTの擬似的ギアにしても、DCTなどの2ペダルMTにしても、気を使うべき点はエンジン回転です。そもそもトランスミッションにおいて変速をする理由は、好みのエンジン回転を使うためです。エンジンはモーターなどの動力源とは異なり、低回転と中回転・高回転ではそれぞれ力と速度の出方にムラがあります。その車種のエンジン特性に合わせて、最適なエンジン回転を使いたいがために、ギアチェンジしてエンジン回転をコントロールする訳です。ですから、その車種のエンジン特性とギア比を理解していないと、適切なタイミングでの変速 できません。

MT車の場合、否が応でも変速していかないと流れて乗って走れませんから、いろいろなシーンを走るうちに、その車種のエンジンの特徴と最適なエンジン回転域が体感的に分かるようになります(それが分からないままの方は、いつまでたっても下手な運転だという印象を同乗者に与えてしまいます)。一方で、AT車では普段、変速は機械に任せっきりで走行する人が大多数です。その方が楽ですし、破綻もしないのですから、当然です。ところが、そういう方が急にパドルシフトで変速しようとしても、エンジンの特性やギア比に普段から注目していないため、上手に運転できないことがほとんどです。近年のAT車はほぼ全てが燃費を最優先した走行モードが通常となっていますから、Dレンジで走行しているときに使われているエンジン回転域は、エンジン本来の許容範囲の30%程度です。それ以上の回転域で走ることは滅多にない上にギア比についても普段は意識しないため、急にパドルシフトを使ったからといって、意のままにエンジンを操るのは困難です。

MTは否が応でも、常に自分で変速しなくてはいけない。
AT(2ペダルMT含む)は、自分で変速「も」できる。

この差は、ドライバーの技量という側面で見ると非常に大きな差となります。自分で変速「も」できるということは、ほとんど自分では変速操作はしない、ということに落ち着くからです。

せっかくのパドルシフトを生かしたい、という方は限定解除の教習を受けたり、MT車のレンタカーを借りるなどして、強制的に自分で変速せざるを得ない状況を経験してみることをお勧めします。様々な状況で自分でシフトチェンジしてみて、車体の姿勢を見たり、速度変化を見たり、燃費の結果を見たりという経験がないと、手動変速によってエンジンをコントロールすることはできません。どうしてもMT車での経験ができないという方は、Dレンジを使わないよう封印して練習するのもありえますが、自動変速できてしまいますし、結局、ロックアップ機構によっては速度が落ちると自動的にシフトダウンしてしまったりと、ドライバーの意思で100%コントロールすることができません。

変速タイミングを学ぶ上では、MT車を運転する経験は非常に役に立つますし、AT車の変速制御が良いものなのかイマイチなのか、 自分のシフトタイミングと比べるとどうなのかといった、「ATの評価」ができるようになります。最近ではCVT車でも、運転感覚を自然にするために、擬似的にギアチェンジするようになってきています。自分でエンジンをコントロールするという意識を持って、運転を見直してみましょう。自分の車の違う一面を見ることができるはずです。

初心者は小さい車の方が良い?悪い?

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免許を取得してから、初めての車を選ぶとき、「小さい車がほしい」という声をよく耳にします。小型車や軽自動車など、見切りが良さそうで、小回りが利きそうな車を選びたいというのがその理由のようです。この傾向は特に女性に多いように見受けられます。

では、小さい車と、比較的大きい車では、どちらの方が初心者の方に優しいのでしょうか。

最初の初心者期間に乗る車としては「比較的大きい車」をお勧めします。

もちろん好みもあれば、出せる費用にも限りがありますから、一概に推薦する訳ではありませんが、車両の大きさに限って比較するのであれば大き目の車をお勧めします。

小さい車は、確かに小回りが利きそうですし、狭い場所でも取り回しがしやすそうに見えます。しかし、実際に乗り比べてみれば分かりますが、車庫入れや縦列駐車などで細かく取り回しをす場合は、大きい車の方が挙動が分かりやすいのです。車の動きを覚える、車両感覚に慣れるという意味では大きい車の方が練習に向いています。小さい車だと、路地でも通れてしまうことが多いため、逆にバックを使う切り返しを練習するシーンが少なくなってしまいます。

また、大きい車の方が、小さい車よりも万一の事故の際に、より安心感があります。車同士がぶつかった場合は、基本的に重い方の車両に乗っていた乗員の方が被害が小さくなります。車対バイク、車対自転車、車対歩行者などでもこれは明らかです。軽い方が被害が大きくなります。さらに、大きい車の方が、衝突時の緩衝材となるスペースが多く取れるのが普通です。特に大型のセダンタイプ(タクシーを思い浮かべて下さい)は、前後にボンネット・トランクという緩衝スペースがあるため、衝突時の被害が少なくなります。

加えて言えば、大き目の車の方がグレードが高い位置づけになりやすいため、衝突安全機能が優れていることが多いのです。

こうした安全上の理由は、初心者にとっては非常に大切なものです。統計的にも、初心者期間が一番事故に遭遇しやすいということが分かっている訳ですから、選択できるならば大き目の車を選ぶことをお勧めします。


一方で、小さく軽い車には別の視点でたくさんのメリットがあります。小さく軽いということは、風の抵抗を受けにくく、駆動のエネルギーも小さくて済むため燃費が良い車が多いということになります。さらに、加速・旋回・制動、いずれの性能も軽い車の方が良くなります。部品も小さいもので足りますし、消耗品の磨耗も緩やかに進みます。

こうしたメリットのある小型車ですが、まずは大き目の車で運転に十分に慣れて、車についての知識を十分に得てから、徐々に小さな車にすることをお勧めします。そうしないと、最初の事故で重大な被害を受けるということになり兼ねませんので、くれぐれも良く考えてクルマ選びをしてみましょう。

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